blueloveのブログ

妄想してみました!嵐 大野智くんと💙

まだ始まったばかり

 

「ねぇ、全然雨止まないよ?」

 

「そんなこと言ったって、オレにどうにもできないじゃん」

 

2人の会話をかき消すくらいに、タープに雨が落ちる音がドンドン酷くなってきた。

 

「やっぱデカめのタープにして正解!」

 

大きすぎるよってブツブツ言ってごめんなさい。

確かにテントは一切濡れないし、起こした火を囲むスペースもある。

早速コーヒーを淹れてくれるらしい。

 

カップを並べたりお湯を注いだりしている、その、手や指。

たまらなく好き。

 

「何ボーっとしてんの?」

 

相変わらず、わたしが智くんに見とれていると、

必ずと言っていいくらいボーっとしてるって言う。

そろそろ気づいても良くない?   

あえて言うなら、うっとりしてるの。

 

「ボーっとなんかしてないもん!」

 

ふふふって笑う智くん。

「はい、○○ちゃんの分」

いい香りにふんわりと包まれたカップを、智くんの手から受け取るわたし。

何気なく触れた手にドキッとする。

 

手を繋ぐ時の感触とも違うし、

わたしの肌の上を這う時の感触とも別な感じ。

 

「ありがとう!」

鼻いっぱいに香りを堪能してから、淹れたてのコーヒーをひと口含む。

「!!!美味しい!」

 

「だろ〜?」

ってドヤ顔してるけど、わたしが口にする時一瞬不安そうな顔したのちゃんと見てたんだから。

 

次はマズイ!ってイジワル言っちゃおうかなぁなんて。

でも、絶対そんな事は無いのにウソは言いたくないなぁ……

 

「晩ご飯も超美味いやつ作るから楽しみにしてろよ~」

 

今日のキャンプは智くんからのご招待キャンプ。

だからわたしはじーっと智くんを眺めてるだけでいいの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ち合わせ時間を10分過ぎた。

智くんが遅れるなんて珍しい。

どうしたんだろ?

ちょっと帯を締めすぎたかな? 

今日のために新調した浴衣にウキウキ気分のわたし。

「○○ちゃんが浴衣着るならオレも着ないわけにいかないじゃん」

去年は「行きたいね!」って言いつつ行けなかった花火大会は1年経って初の浴衣デートに決定。

 

ふーっと息をはきつつ帯をなでなでしながら、スマホを眺めるわたし。

連絡もないね。

 

ここから歩いて10分ぐらいの少し高台にある公園が穴場らしく、この通りも人が少なくてホントに穴場なんだ!って花火がますます楽しみになってきてニヤニヤしちゃうわたし。

 

 

あ、左手に握ったままのスマホがブルっと震えた。

 

 

そっか、、、

LINEの通知に「ごめん」って文字が見えた。

遅れるとかじゃなくて、ダメなんだろなって感覚的に分かった。

 

すぐに開くことが出来ない。

1分ぐらい経って、未読のままじゃいけないよね…と思って仕方なく開いた。

 

 

「ごめん、ホントにごめん。どうしても外せない用が出来て行けなくなった。もっと早くに電話しようと思ったけど電話も出来なくて。2時間くらいで帰れるから俺の家で待ってて。ごめんな」

 

 

やっぱりダメな方だった。

返事をしなくちゃいけない。

「うん、わかった」

とだけ送った。

 

 

ちょっと気持ちがしんどくてどうしていいか分からず、その場にじっとしていると花火の音が聞こえてきた。

始まったんだ。

空を見上げたけどここからは見えなかった。

 

 

「やっぱり今日は自分の家に帰ります」

とメッセージを送ってスマホをしまった。

 

家に着いてすぐ浴衣を脱いでTシャツと短パンに着替えた。

仕方ないって理解している気持ちと、やっぱり淋しいっていう気持ちが半々ぐらいでぐちゃぐちゃだ。

 

 

チャイムが鳴ってハッとするわたし。

もうこんな時間だったんだ。

ずいぶんぼーっとしてたみたい。

鍵を開けたらスゴい勢いでドアが開いた。

 

「良かった〜ちゃんと居た。スマホはっ?」

少し息が上がってる。

 

「え、あ、マナーモードにしたままカバンの中かも…」

スマホを確認すると智くんからの着信がいっぱい。

心配かけちゃったのかな?と思っていたら、

後ろからふわっと包まれた。

 

「ホントに今日はごめん」

耳元で聞く智くんの声はズルい。

 

「うん。仕方のないことだから大丈夫」

 

「ちゃんとホントの事も言って」

 

「え?ホントの事って?」

 

「ホントはどう思ってるのかちゃんと言えってこと」

 

「・・・・・・智くんのアホ」

 

「ふふふっ。出たっ関西弁!」

「オレはアホだー。○○ちゃんの浴衣姿を見逃したほんまのアホだー」

 

微妙にイントネーションが違う関西弁はいつ聞いても愛しい。

ほんまにアホだよ…

 

智くんの体温と耳元で聞こえる優しい声と、

淋しい気持ちも伝わってるのが分かって、

ぐちゃぐちゃだったわたしの心はすっかり安心して落ち着いた。

 

「もう大丈夫だから」

 

すると智くんはわたしを抱きしめている腕に力を入れてギューってした。

少し汗ばんだ智くんの肌がわたしの首筋にあたる。

 

「代わりに今度キャンプに招待する」と言った唇はそのままうなじを這いはじめて、もうわたしは返事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あと、プレゼントしたいものがあるからちょっとあっちの方に座って」

ってタープの端の下、ぎりぎり雨に濡れない所を指差す。

 

訳がわかんないけど、コーヒーの入ったカップとイスをそれぞれの手に持って移動するわたし。

「この辺でいい?」

 

「うん。こっち向いてそこ座って」

そして、荷物の中からスケッチブックと鉛筆を取り出して私の方を向いて座る。

 

これって……

 

「コーヒー飲みながらでいいから、じっとして笑ってて」

 

「笑うって。それすごく難しいよ…」

 

「じゃあ、なにか嬉しかったこととか楽しかったこと思い出してみて」

 

もう鉛筆を動かし始めてる。

ヤバいよ。

笑うっていうより泣きそう。

笑えない。

 

「アハハ、難しい顔しすぎ」

 

智くんの視線がわたしのパーツを見てる。

目が合ってるようで合ってないような不思議な感じ。

こんな日が来るなんてもっと不思議な気分。

 

初めて会った日のドキドキとはまた違うドキドキ。

あの日から今日まで信じられないくらい嬉しいことや楽しいことの連続で、改めて思い出すと心臓がひぃってなってくる。

そんな夢のような日々は現在進行形。

 

2メートルくらい先で、

智くんがわたしを描いてる。

その姿を見ていられる今が、最高に幸せで嬉しい。

ずーっと見ていたい。

 

「描けたー!」

 

30分くらい経ってたんだ。

あっという間でびっくり。

終わっちゃったのがとても残念。

「もう見てもいいの?」

 

「いいよー」

 

描いた絵を優しい顔で眺めたままの智くんの後ろに立つわたし。

 

これがわたし?

自分で言うのも変だけど、ステキに微笑むわたしがいた。

これが智くんが描いたわたし。

 

「なんか言ってよ」

 

「わたしじゃないみたい」

 

「ふふふっ。途中から○○ちゃんが何を思い出してんのか分かった」

 

なんで?分かったってなに??

 

「オレ、昔言ったことあるよね?『その顔他のオトコに見せんな』って。そん時の顔してたから」

ってちょっと照れた顔をした。

 

それを言われた当時、どんな顔だよ…って思ってた。智くんのこと考えてる時、わたしこんな顔してるってこと?

幸せって顔してるね。

智くんがそうさせてるんだよ。

分かって言ってるのかな。

 

「絵、どう?」

 

「すごく嬉しい。嬉しすぎてなんて言葉にしていいかわかんない」

 

「オレん家に飾っとく?」

 

「恥ずかしいからイヤだ」

 

はい!って差し出されたスケッチブックを両手で受け取るわたし。

「あ、ありがと」

今この手に智くんの描いたわたしがある。

サプライズすぎるプレゼントに心がついてけない。

 

 

「あー集中したらなんか腹減ってきた。アレ持ってきてんでしょ?食べたい」

 

やっぱり持ってきてるって分かってたのか。

わたしは胸がいっぱいで全くお腹減らないな。

だから1本だけカバンから出して智くんに渡す。

 

 

「うめぇ〜、山ん中で食うフロランタン最高!」

ニコニコして食べてる。

「○○ちゃん食わないの?」

フロランタンかじりながらモゴモゴしちゃってる。

 

「お腹減らないもん」

 

「いつも美味いけど、いつもよりもっと美味いから食ってみ?」

 

差し出されたフロランタンを少しかじった。

1本のフロランタンを一緒にかじると普段より美味しい。

でも、今日のフロランタンはいつもより甘くて、もっともっと美味しかった。

絶対忘れない味がした。

 

 

「ご招待キャンプも楽しいけど、来年は絶対花火大会に行こうね」

 

「おぅ、絶対行くぞ」

 

浮かんできた涙を隠すため、うつむいたままなわたしの頭をポンポンてしながら約束してくれた。

 

 

「あ、雨止んだじゃん!」

 

顔を上げると空が少し明るくなってた。

智くんが笑ってたから、わたしも笑った。

 

キャンプはまだ始まったばかりだもんね!

 

 

 

 

 

 

サクサクのフロランタン

はぁぁ、終わった。
今年も無事クリスマス終了!
たくさんケーキ売った✴️

 

うふふ💙
今から、わたしのクリスマス。

予約しておいたチョコレートのクリスマスケーキを持って急ぐ。

働いてたってちゃんと予約しておかないと売り切れちゃうからね。

 

 

そしてLINEを確認する。

 


「多分、今日中には帰れると思う。晩ごはんは済ませておいて」

 


やっぱり忙しそうだね……
当然なんだけどね。

それでも今年のクリスマスは少しでも一緒に過ごそうってことになった。っていうか、わたしが会いたいって言った💙

普段は会えるときに会えればそれで十分なんだけど言っちゃった。

 

だってクリスマスだから……

あ、返事送っておかないとね。

 


「仕事終わったから、今からお家に向かいまーす!」

 

 

この、高層高級マンションも入るとこまでは慣れたけど、エレベーター降りてからお部屋に入るまではいつもドキドキ!

キョロキョロしちゃう……

誰も見てないよね。

 


冷蔵庫にクリスマスケーキを入れて、とりあえず買ってきたコンビニのおにぎりにパクつくわたし。あと3時間もないね…

 

 

 


あ――、ギリギリだな……

今日中って大げさに言ったつもりがガチじゃん。
お互いクソ忙しい時だけど、「クリスマスに会いたい」って言われて。

 

そうだよな。

クリスマスだもんな。
そういうのも、悪くないなって思った。

たまに、そう言葉に出して言われるとテレる……

 

ていうか、◯◯ちゃんも疲れてるだろうから、待ちくたびれて寝てたりして。

一応、そーっと部屋に入る。

 

あ……、だよね。

ソファーに座ったまま寝ちゃってる。

 

なるべく音を立てないように、冷蔵庫からミネラルウォーターを…

おっ!!ケーキ✨

箱を少し開けて中を見る。

旨そう!やっぱチョコケーキだよなぁ。

サンタのっかってる。

クリスマスケーキだから当たり前か。

でも、明日の朝のお楽しみかな?ってソファーに視線を移す。

 

 

横にそーっと座る。

疲れてんだろうなぁ。

顔をのぞき込んでみるけど、よく寝てる。

 

その手からケーキとあの笑顔を受け取った、たくさんの人たちは楽しいクリスマスを過ごしたんだろうなぁ。

 

あ、なんか握ってる……

えーっとなんだっけ?

◯◯ちゃんのお店で売ってるやつ。

確かフロランタン!?

 

お腹減ったって、よくカバンから出してきて食べてるけど、常に入ってんのか?

何度かオレも食べたけど、スティック状だから握ってかじって食べやすいんだよな。

 

ふふっ

オレを待ってるうちに、腹減ってきて食べようとして寝たパターンだな。

 

握られてるフロランタンをそっと手から抜き取る。

 

起きない。か……

 

じゃあ、ちょっと

「いただきま~す」

小さい声で一応言っておいた。

 

「あ、やっぱ、うめぇ~」

サクサクっていうかこの歯ごたえ?噛みごたえ?

 

まあ、オレに説明しろってのは無理な話だな。

ふたくち目を食べようと口を開けたとき

 

 

「あっ、わぁっ」

 

「起きた……」

 

「あ、お、お疲れさまです🙇えーっとずっと前から…?」

 

「今帰ってきたとこ~」

 

「そっか😊あ、それ…」

 

「◯◯ちゃんが手に握ってたやつ」

 

ほら、やっぱり今帰ってきたばっかりじゃない。

食べてるもん。

マヌケな寝顔だったかな😓

 

「食べる?」

 

“うん”て頷くわたし。

目の前に差し出されたフロランタンにかぶりつこうと、少し体を起こしたら、え…

 

フロランタンが遠くへ行って、近づいてきたのは💙

 

 

そっと軽く優しく触れたくちびる。

ほんのりフロランタンのキャラメルの香りがした。

 

びっくりするわたしに

 

「メリークリスマス」って優しく笑いかけてくれる。

 

わたしも笑顔で返す。

「メリークリスマス😊」

 

「ギリ間に合った、残り5分……」

 

「5分もあるよ😊」

 

何するわけではないけれど、ふたりで意識して過ごす5分。

なんだか恥ずかしくなるね。

 

「何ニヤニヤしてんの?」

 

「うふふ💙、クリスマスだね」

 

「なんだそれ」

 

って言いながら肩に回された腕に引き寄せらて、智くんの体温を感じてホッとする😊

 

そして、目を閉じるわたし。

 

 

フロランタンのキャラメルよりも、もっと甘いクリスマス……

 

 

💙Merry Christmas 2018💙

 

 

 

 

 

 

 

【2ー19】笑ってたい

「やっぱりちょっと流されてるな」

 

 

ずーっと海の上にいたい気分😊なんだけど、もう戻るんだって。

「あっ!免許証見たいなぁ~✨」

 

 

「え…見るの?」

 

 

「うん😊」

うふふ💕、あ、うん、至って普通。

ていうか、やっぱりまだそのまま持ってるんだ。

「お祝いにケースプレゼントします😊」

 

 

「あ、これ入れるやつ?」

 

 

「あとケーキも😊」

 

 

「じゃあ、チョコで」

 

 

わたしもチョコがいい✨

帰りは立って操縦。

並んで立っておしゃべりしながら。

どんどん街が近づいてくるのを見ながら戻る。

すごいなぁ、船動かしてるよ💙

 

 

「クルーザー買わないんですか?😊」

 

 

「もうそれ、聞かれ飽きた」

 

 

そうだよね。

みんな聞くよね。

「だってすぐにでも買えると思うからみんな聞くんだよ😊」

 

 

「そんな簡単に買えるわけないじゃん」

 

 

「どうして?嵐なのに…」

あ、わざと言っちゃった😁

ちょっと笑ってるわたしを見て

 

 

「面白がってるじゃん!」

 

 

うふふ💙

 

 

「もっとゆっくり考えてからに決まってるじゃん」

 

 

「そうだよね😊」

 

 

「そんときは、また1番に乗せてやるよ」

 

 

「うん。ありがとう😊」

わゎゎ、ちょっと揺れてバランスを崩しそうになったら、すかさず智くんがわたしの腕をしっかり掴んでくれる。

「ちょっと、どっか、掴んでて」

 

 

「はーい😊」

って、智くんの上着の裾を掴むわたし。

オレに掴まってろってことで合ってるよね💙

 

 

 

「そーやって、いっつも笑ってろ」

 

 

 

「うん😊」

 

 

こうやって、いつも智くんの横で笑ってたいなぁ。

 

 

 

今度の休みには、海のお守り買いに行こう。

プレゼントするケースにそーっと忍ばせておくつもり😊

 

 

 

 

 

 

 

 ~第二章  おしまい~

【2ー18】懐かしの

何の涙かな…

嬉しいのはもちろん。

智くんがわたしを1番に乗せようって思ってくれてたと思うと、はぁ…もう大変だ。

そう、大変すぎて。

 

それなのにちょっと淋しい…って、う~ん…ってなってた自分が情けなくて泣けてくる😣

 

ホント、ダメダメじゃんわたし。

しっかりしなよ、わたし…

 

 

 

「ふふっ、すぐ泣く~」

 

 

 

「だって…」

わたしの今の気持ちを伝えようにも、どう言葉にすれば伝わるかな…

そして、ホントにこんなわたしでいいの?がいっつもチラっと出てくる。

 

 

 

「1番に…乗せてくれて…ありがとう…😢」

やっぱり、“ありがとう”だけでもちゃんと伝えないと。

 

 

 

「オレが1番に乗せたかっただけ」

 

 

 

「そんなん…ゆったら…もっと…泣けてくる…😢」

 

 

「ははっ。いつも変なとこで関西弁出てくるよね」

 

 

「そんなん…しらん…」

智くんが笑ってくれるから、わたしも笑おうとするけど、これじゃ泣き笑い😂

もう、ぐちゃぐちゃ😊

 

 

さっきのミネラルウォーターをあけて、ゴクゴクと3口ぐらい飲んだのをそのまま、「はいっ!」て渡された。

まだ、突如出てくるわたしの関西弁にツボってるのか、笑いがおさまらない感じ😊

 

ペットボトルを眺めながら、いつの間にこんな…、1本のペットボトルを普通に分けあって飲むような近さになったんだろう…

 

 

「海の上で食べるスイーツって、ちょー旨いかも!」

 

 

わたしも手に持った食べかけのシュークリームを口にする。

わたしは智くんと一緒だったら、いつでもどこでも、すごーく美味しい😊

 

 

「じゃあ今度はケーキ持ってきて、海の上で食べる会がいいなぁ😊」

 さらっと今度って言っちゃった😁

 

 

「食べる会ってなんか懐かしいな」

 

 

うふふ💙

“ケーキ食べる会”って言ってお互いの家を行き来してたんだよ😁

今考えたら、おかしいよね。

 

「懐かしの食べる会、復活😊」

 

 

「涙、止まった~?」

って智くんがわたしの肩に手を掛けて、顔を覗きこんでくる。

ち、近いよ。

近いのには慣れない…

ヒイッてなる。

 

 

 

「じゃあ、懐かしついでだな…」

 

 

 

ついでってなに?って思ったときには…

その瞬間わたしも目を閉じてた。

 

 

懐かしいって。

智くんとの初めてキスのことだ。

 

今日と同じシュークリームの味。

でもね、だいぶ違う。

あの時と同じで優しいけど、軽~くじゃなくって、しっかりと智くんの温かさを感じる熱いキスだから…

 

 

 

【2ー17】月あかり

わたしが“おめでとう”って頭下げたもんだから、智くんも“ありがとう”って頭を下げる😊

 

「いや~でもまじで緊張した。あの待ってる時間がヤバかったなー」

 

 

「でも、実技は完璧だったし、試験の点数も✨」

 

 

「あ、オンエア見た?いつだっけ?」

 

 

「昨日です。見たばっかり😊」

 

 

「ふーん、昨日か」

 

相変わらずあんまり興味なさそうだなぁ😅

わたしはTVで智くんの様子を知るんだよ?

 

 

「あ、お腹すいてるよね?なんもないや…」

 

 

「ありますよ☺️じゃ~ん!」

ってシュークリームの入った袋をカバンから取り出す。

貰ってきて良かった😊

 

 

「あー!シュークリーム!!久々じゃん。飲み物なんかあったかな?」

って言いながら智くんが中に取りに行った。

 

戻ってきた智くんがわたしの真横に座る。

重心が…

少し船のこっち側が沈んでちょっとびっくり。

ていうか、隣に座ってびっくり。

さっきまでほぼ向かいに座ってたのに、ドキッとする。

 

「水、一本しかなかった。一本あればいいよね?」

 

 

「あ、うん」

 

 

「ん?」

 

 

「こっち側がちょっと沈んでる…」

 

 

「いっつも隣がいいって言うじゃん。これくらい大丈夫だし」

 

 

も、もちろん、隣がいい…

智くんからそんなこと言われるとドキドキ😓

でも嬉しいから、にっこり笑顔で返す。

「うん、隣がいい😊」

 

 

穏やかな水面に月あかり🌙がさしてスゴく綺麗✨

ずーっと見てられるなぁって、波のゆらゆらをうっとり見ながらシュークリームを食べるわたし。

 

 

へ?視線を感じて横を向くと、わたしの方を見ててビクッとする。

 

 

「え?な、なんですか…?」

 

 

「ふふっ、いや、幸せそうに食べるなぁと思って」

 

 

「うふふ😊」

だってスゴく幸せだから🍀

 

 

 

「海好き?」

 

 

「うん。水面ずーっと見てられる😊」

そっか。そういうの言ったことなかったっけ?

それに智くんと一緒。

これ以上のシチュエーションなんてないよ。

 

 

 

「あの~、ホントにわたしが1番目…?」

 

 

 

「うん。そう。まだ免許取りたて初心者じゃん?母ちゃん乗せるって言って釣り仲間の免許持ってる人にちょっと特訓してもらった」

 

 

特訓…、練習してたってことだよね。

「練習してたんですか…?」

 

 

 

「そんな練習って程でもないよ。夜暗いからちょっとね」

 

 

ちょっとって…

 

もう、だめ…

 

 

 

 

「。。ちゃんが、オレが独りで操縦する船に乗る第1号!」

 

 

もう、無理。

 

涙が溢れてきた…

 

 

 

【2ー16】海の上

「うわぁ✴️ちゃんとお部屋だ~😊」

 

「小さいけど雨風はしのげるようにはなってる」

 

操縦席にちょこんとした椅子があって、その他は横向きのシート。3人ぐらいは座れるかな。

 

「じゃあ、行くか?最初揺れるかもだから座ってて」

 

 

「はーい✨」

わぁ~、ドキドキする。

操縦席の真横のシート。つまり座ると操縦席を必然的にガン見できる所に座る。

それに1番近いし😊

両足をガバッと開いて椅子に座る智くん。

その座ってる姿だけでもう💙

 

エンジンがかかった!

「うわぁ✴️動いた!すごい、すごーい!!」

全然揺れないし、周りをキョロキョロして動き出した船に感動するわたし。

 

 

「すごいって、ちょっと進んだだけじゃん」

うふふ😊

何が?余裕じゃん。みたいな空気だ。

 

あぁぁぁ、操縦してる横顔と真剣に前を見つめる目と、操縦かんに添えられた手がカッコ良すぎて💙

どこ見てたらいいかわからない。

全部のパーツをガン見したい…

 

 

「え?なに?なんかおかしい?」

 

 

「え?」

 

 

「ずっとこっち見てるから」

 

 

「あ…えーっと…すごくカッコいいです…」

素直に思ってること言っちゃった😊

 

 

 

「はぁ?なんだそれ」

って言って澄ました顔してまた前を向いたけど、一瞬顔が緩んだのが見えたよ。

ちょっと照れてる😊

 

 

わたしも言っちゃった手前なんだか恥ずかしくなってきたから、ガン見はやめることにした😓

船の後ろの方を見ると、だんだん街の光が色んな色の点々になってきた。

 

 

「この辺でいいかな」

ってエンジンを切った智くん。

10分くらい経ったかな?

 

 

「陸からは見えないし、大きな船の通り道はもっと沖だし、まだ湾の中だからそんなに流されない絶妙なポイント」

 

 

「すごーい、そうなんだ✴️」

へぇ~そんな絶妙な所なんだ!

またキョロキョロ周りを見回すわたし。

「すっかり海の上😊」

 

 

「外、座れるから出ようか」

 

 

船の後ろ側のデッキのことだよね?

2、3人は座れそうなスペース。

先に外に出た智くん。

「あんま波も風もないけど、ちょっと肌寒いな」

 

 

「ほんとだ~、全然波ない!そんなに寒くないですよ😊」

 

 

「気をつけてよ。ライフジャケット用意してないし、もし落ちても知らないよ」

 

 

「えっ!落ちても助けてくれないんですか!?」

 

 

「当たり前じゃん。やだよ、こんな冷たい海の中」

って言って笑ってる😊

 

あ、大事なこと言うの忘れてた。

えっと、膝を揃えてきちんと座り直して智くんの方を向くわたし。

 

 

「船舶免許、無事に取れておめでとうございます🙇」

 

 

海の上で“おめでとう”を言うことになるなんて思ってもなかった💙

 

 

 

【2ー15】全部楽しい

ここって…

止まってドアが開いたから繋いでた手を仕方なくほどいて先に降りる。

 

うわぁ✨海風のいい匂い😊

よくわからないけど、どこかのヨットハーバーだと思う。

智くん、釣りの格好してるわけじゃないから夜の海で投げ釣りってわけではなさそう。

わたしは海、久しぶりだな😊

あ、神戸で一緒に見た海以来だ🌊

一緒に見られるなんて夢のようだったなぁ💙

 

 

 

「ボーッとしてないで行くぞ」

ってスタスタ歩きだす。

いっつもわたしのことボーッとしてって言うけど、色々考えたり思い出したりしてるだけだよ。

 

久しぶりに会えたのにボーッとしてって言われるわたしって…

可愛げもなにもないね😓

 

 

どこに向かってるんだろう。

智くんの後ろを早足でついていく。

こういう時、智くん歩くの早いよね。

いつもはのんびりなんだけど、自分で行くとこ決めてる時ってスタスタだ😊

 

 

しばらく行くと、立ち止まって智くんがわたしの方を向く。

 

 

 

 

「ちょっとだけだけど、1番に乗せようと思って」

 

 

 

 

今言ったよね?

1番に?乗せる?

それって…

もしかしてもしかする…ってことだよね…

どうしよう…

どうしようじゃないんだけど、“どうしよう”が頭をグルグルする。

 

 

 

「聞いてる?乗りたくないならいいけど」

 

 

思いっきり首を横にブンブンふる。

 

 

「あははっ!首ふりすぎ。じゃあ、乗るか」

って先に船に乗る智くん。

軽やかにポンて乗る。

 

 

目の前に縄で結ばれてる、小型のクルーザー。

波にゆらゆらしてる。

 

 

 

「大野丸…は?」

やっと声が出たわたし。

 

 

 

「あれは、番組のやつだから」

 

「ちょっと借りてきた」

 

 

とっさに浮かんで大野丸は?なんて言っちゃったけど、わたしを乗せる為にクルーザーを借りてきてくれたってことだよね…

 

それだけで、フラフラしそうなんだけど、今から智くんの操縦する船に乗るんだよ。ヒイィィ ィ!😱

 

 

それも1番にって言った…

わたしが1番目なの?

胸がいっぱいで、全部の感情が合わさって、今の気持ちをどう伝えたらいいか全くわからない。

わたし、感情を表すのがホントに下手だ…

 

 

先に乗った智くんが“ほらっ”て手を思いっきり伸ばしてわたしを促す。

智くんの手を掴むと、わたしの手をぎゅっと強く掴んでくれた。

その手を支えに足を伸ばして、軽くぴょんと飛び乗る。

そーっと乗ったつもりだけど、結構船がゆらゆらして、もう片方の智くんの手がわたしの腰を掴んで体をしっかりと支えてくれる。

顔を上げると、優しく笑う智くん。

 

 

「小さいからやっぱ余計に揺れるな」

 

 

「うふふ、楽しい😊」

 

 

「え?揺れるのが?」

 

 

「うん。ぜーんぶが楽しい😊」

うふふ💙

楽しくて嬉しくて、最高に幸せだよ🍀