「今日はごちそうさまでした。美味しかったですね!」
歩きながらのおしゃべり😊
「だろっ?あ、でも今日ケーキなしだな」
「わたし、休憩の時に食べました!」
「それ聞こうと思ってたんだけど、毎日ケーキ食べんの?」
「うーん、そう言われたらほぼ毎日食べてるかも」
「へ~、その割にはあれだな…どっちかと言うと細いじゃん」てわたしの全身をチラッと見ながら言う。
スカートだし、そういうの恥ずかしい…
「多分、ぽっちゃりさんはケーキ屋さんの販売は出来ないかも…ケーキ食べたらぽっちゃりになっちゃうと思われたらダメだからって聞いたことがあります」
「じゃ、最初細くて働き出してケーキ毎日食べてぽっちゃりしてきたらどうすんだよ!」
「え、そんなのは知らないです…。大野さん、面白いとこが気になるんですね😊」
「…それ。どうにかしない?」
ん?何??
「おおのさん!!」
あ……。でもそんなこと言われても。
「下の名前にしてもらおうかなぁ」
え、リクエスト…
ファンの人で下の名前で呼ぶ人いっぱいいるんだけど、直接呼ぶのってスゴく恥ずかしい。
「普通でいいんですよね…?」
「うん。ちょっと言ってみて😊」
うわぁ、ニコニコして待ってるよ。
「智くん…」
「え?よく聞こえな~い」
また面白がってる。
恥ずかしい…
「もう言わないです💦」
ふふふって笑ってる。
「あ、今日なんかあった~?」
「あ、おじさんが…」
「おじさんがどした?」
「お釣り返す時に、ニヤニヤして手を握ってきた…」
「なに!!おじさんて何歳ぐらいの?」
「40過ぎくらいです」
「オレとあんま変わらないじゃん…」
「え、全然!大野…」
って言いかけたら、口を尖らせて、違う!って顔してくる。
「あ、智くんはおじさんじゃないし、37歳に見えないし、カッコいいし…」
なんか嬉しそう?
わたしは名前で呼んだのが恥ずかしい。
「けしからんオッサンだ!オレのもんだぞ…」
大野智のもの?
その響きに酔いしれたい…
急に大野くんが立ち止まる。
あれって思ったら、わたしの方を向いた大野くんの右手に左肩を掴まれる。
もう片方の手はつないだまま。
大野くんの顔が近づいてきたから、そっと目を閉じる。
優しいけど、熱いキス…
唇から大野くんの体温を感じて溶けそうになるわたし…