ここって…
止まってドアが開いたから繋いでた手を仕方なくほどいて先に降りる。
うわぁ✨海風のいい匂い😊
よくわからないけど、どこかのヨットハーバーだと思う。
智くん、釣りの格好してるわけじゃないから夜の海で投げ釣りってわけではなさそう。
わたしは海、久しぶりだな😊
あ、神戸で一緒に見た海以来だ🌊
一緒に見られるなんて夢のようだったなぁ💙
「ボーッとしてないで行くぞ」
ってスタスタ歩きだす。
いっつもわたしのことボーッとしてって言うけど、色々考えたり思い出したりしてるだけだよ。
久しぶりに会えたのにボーッとしてって言われるわたしって…
可愛げもなにもないね😓
どこに向かってるんだろう。
智くんの後ろを早足でついていく。
こういう時、智くん歩くの早いよね。
いつもはのんびりなんだけど、自分で行くとこ決めてる時ってスタスタだ😊
しばらく行くと、立ち止まって智くんがわたしの方を向く。
「ちょっとだけだけど、1番に乗せようと思って」
今言ったよね?
1番に?乗せる?
それって…
もしかしてもしかする…ってことだよね…
どうしよう…
どうしようじゃないんだけど、“どうしよう”が頭をグルグルする。
「聞いてる?乗りたくないならいいけど」
思いっきり首を横にブンブンふる。
「あははっ!首ふりすぎ。じゃあ、乗るか」
って先に船に乗る智くん。
軽やかにポンて乗る。
目の前に縄で結ばれてる、小型のクルーザー。
波にゆらゆらしてる。
「大野丸…は?」
やっと声が出たわたし。
「あれは、番組のやつだから」
「ちょっと借りてきた」
とっさに浮かんで大野丸は?なんて言っちゃったけど、わたしを乗せる為にクルーザーを借りてきてくれたってことだよね…
それだけで、フラフラしそうなんだけど、今から智くんの操縦する船に乗るんだよ。ヒイィィ ィ!😱
それも1番にって言った…
わたしが1番目なの?
胸がいっぱいで、全部の感情が合わさって、今の気持ちをどう伝えたらいいか全くわからない。
わたし、感情を表すのがホントに下手だ…
先に乗った智くんが“ほらっ”て手を思いっきり伸ばしてわたしを促す。
智くんの手を掴むと、わたしの手をぎゅっと強く掴んでくれた。
その手を支えに足を伸ばして、軽くぴょんと飛び乗る。
そーっと乗ったつもりだけど、結構船がゆらゆらして、もう片方の智くんの手がわたしの腰を掴んで体をしっかりと支えてくれる。
顔を上げると、優しく笑う智くん。
「小さいからやっぱ余計に揺れるな」
「うふふ、楽しい😊」
「え?揺れるのが?」
「うん。ぜーんぶが楽しい😊」
うふふ💙
楽しくて嬉しくて、最高に幸せだよ🍀