優しく聞いてくれるから、色々「お話」をした。
わたしのことを。
大学からこっちへ出てきたこと。
わたしの両親とオーナーパテイシェ夫妻が知り合いで、お世話になってそのまま、正社員として働かせてもらってること。
へ~とか、そうなんだって聞いてくれる。
わたしみたいな、普通の人の話面白いのかな。
わたしは、あまり聞いちゃいけない気がして何も聞けない…
だいたい何で来てくれたの?
「ちゃんとお礼がしたいんだけど何がいい?」
「もう十分です😊」
「コーヒーもご馳走になって、たくさんお話してもらって満足です!」
「コンビニのコーヒーじゃダメだ。知ってるか?オレ、大野智。嵐のリーダー!」
だから、もう十分なのに。
でもね、ずっと言ってくるから、思い切って言ってみた。どう言うのかなと思って…
「一緒にケーキ食べたいです…」
言って恥ずかしくなる。
一瞬考えたようだったけど、ふって笑って
「ケーキ好きだなぁ」
「。。ちゃんのお店のやつ?」
ホントに?
まだわたしと時間を過ごしてくれるの?
「うちのじゃなくて、違うとこのがいいです」
もう、何でも言ってみよう。
「銀座の〇ール〇ッシュのシブーストがいいなぁ。〇田〇次郎のとこのやつ。知ってますか?ちょー有名店😊」
「何だそれ?またフランス語か?」
「マネージャーに買いに行かせるか」
「こないだの人ですか?」
「そう」
ってなんか、同時に笑っちゃった。
2人だけの秘密だもんね。
「じゃあ、いつにするかは、また決めるとして、帰るか」
「はい😊」
「寄る?」ってコンビニを指さす。
指に見とれちゃう💙
「今日は大丈夫です」
「そんじゃ、送ってくか」
「いいです💦いいです💦すぐ近くだし」
「近くならいいじゃん」
「でも、なんか大変なことにならないですか…?」
「??あ、大丈夫だろ、マスクしようか?」
キャップにマスクぐらいじゃ、どう見ても大野智なんだけど…
5分もせずに、マンションの下に着いた。
「ここです。ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げるわたし。
ふ~んて感じで、マンション確認して、
「気をつけて帰れよ」
「もう着いてます😊」
帰って行く大野くんの後ろ姿をずっと見てたら、振り返って、手で“早く入れ”って合図された。
残念、もっと見てたいのに…