半分づつにした3個のケーキは食べちゃった。
「お茶を入れ直しますね。わたし、甘いものの後は日本茶なんですけど、いいですよね?」
時間気にしてる感じ?
「ケーキごちそうさまでした😊美味しかったですね」
お茶を出しながら、この近さにどうしていいか分からない。
いつも見てるのにってポスターを見ちゃう。
わたしの目線に気づいたのか、
「みんなこーやって、部屋中に貼るもんなの?」
「多分ファンなら…。貼るためにあるんだと思ってますけど…」
「そう言われるとそうか」
なんか、やっぱイヤなのかな…
「雑誌とかも、表示が嵐じゃないのは、切ってファイルに…」って、大野くんとは反対側の棚に左手を伸ばそうとしたら…
「もう、いいから!」って右腕を強く引っ張られて、正座してたのが、大野くんの方を向いてペタッとお尻をついて座り込んでしまったわたし。
へぇぇぇ!!
片膝ついた状態の大野くんを見上げると、真剣な眼差しでわたしを真っすぐ見てる。
「ちゃんとオレを見ろよ」
怒ってはいないけど、静かに真っすぐに。
「オレ、目の前にいるじゃん」
あ…たまらず下を向いてしまうわたし。
「ご、ごめんなさ…」て言い終わらないうちに、掴まれたままの右腕を少し引き寄せられて、あっ、近い!って思った時には大野くんの胸の中。
そして、優しくふわっと大野くんの腕に包まれるわたしの背中。
そして、いつもの優しい声で
「こんな、ぺらっぺらな紙のオレじゃなくてさ、。。ちゃんの目の前にオレいるじゃん」
オレを見ろって、そんな…
それに…わたし今、大野智の腕の中!!!
もう返事なんて出来ない😣
「なんでメンバーに見られてんだよ。ニコニコしやがって!」
そして、背中に回ってた手が今度はわたしの両肩を掴む。 (あ、解放された…)
恐る恐る顔を上げると、優しく笑って
「分かった?」
「はい…」
とりあえず、はいって言ったけど笑えない…
すると、わたしの頭をポンポンてして
「仕事戻んないとだから、帰るわ」
とどめの頭ポンポンでもう思考が完全停止。
ぼーっと、立ち上がる大野くんを見上げて、ハッとして、わたしも立ち上がる。
靴を履きながら、
「ここでいいから」
「この家、居心地悪いから今度はオレん家で」
サングラスをかけて帰って行った。
その場にへたり込むわたし。
今、大野くん、なんて言ったっけ……