帰ろうかってなって、それぞれ別で帰るか、一緒のタクシーで先にわたしを送るかって言われて。
「一緒でもしゃべんないけど。結構声でバレたりするから」
毎日わたしには想像もつかないこと気にしながら生活してるんだろうな。
もちろん、一緒がいいって言ったけど変に緊張しちゃって、やっぱり別にすれば良かったかなぁと思ってたら、そーっと左手がわたしの方に出てきた。
あっ…、大野くんの方を見ると、深くキャップを被って右手に持ったスマホを見たまま。
わたしも右手を重ねて、さっきと同じように前を向いた。
大野くんの手は、いつもわたしを安心させてくれる。
お礼だけ言って降りてきた。
ただご飯食べて、公園を歩いただけだけど、大野くんと一緒だと全部がキラキラ✴
ただのタクシーがドキドキ幸せタクシー💙
わたしはスゴく楽しくていつも舞い上がってるけど、大野くんはどう思ってるんだろう…
張り切ってスカートにしたんだけどなぁ。
おじさんに手を握られたって言ったら、なんかびっくりしてたけど、そんなのホントはよくあること😊
次はいつ会えるかなぁ
ケーキはどこのがいいかな😊
久しぶりにうちのかな。
そんなことより、大野智の手料理✨
なんてニヤニヤしてたら、ラインがきた。
「オレも着いた」
「早かったですね!今日は楽しかったです😊」
「多分再来週ぐらいに時間作れると思う」
「はい、日が分かればシフト調整します🍀」
「泊まってけばいいから」
え、あ… ↑この文字を見たまま思考停止。
えーっと…これは…これは!!
どうしようっていうか、そっか、そうか💦
「既読スルーするの~?別に帰ってもいいんだけど」
あ、いや、そうじゃないんだけど、どう返せばいいのか…
「あ、あの、ちょっとびっくりして。えーっとあの、お願いします」
「何だよ、お願いしますって。面白すぎ」
「あ、なんなおかしいですね…」
「オレは最初からそのつもりで誘ったんだけど」
あ、そうなんだ…
絶対スマホを手に笑ってるよ…
絶対わたしが鈍いのを面白がってる。
「今、笑ってますよね…?」
「。。ちゃんの様子が想像できて面白い。まぁ、その鈍い感じが面白くていい」
面白くていい…?
まぁ、こんなだからしょうがないか…
「また連絡するから、早く寝ろよ~。寝坊するぞ」
「はい。智くんも寝坊しますよ😊」
「おやすみなさい🌃」
今日もいっぱい、いっぱいだ…
とりあえず寝よう。
余韻に浸りながら💙